十種神宝大御名:古代の神秘と神器の力を解き明かす

霊魂の力を増大させる祝詞 十種神宝

十種神宝大御名は、古代日本の神話に登場する特別な神器で、神々の力が宿ると伝えられています。このサイトでは、その神秘的な宝物が持つ力や歴史、そしてそれにまつわる伝説を深く掘り下げて紹介します。古代の神秘を感じ、神話の世界に触れてみませんか?

十種神宝と同じパワーを持つ「十種神宝大御名」

三種の神器(さんしゅのしんき)を知っているだろうか。

 

瓊瓊杵尊が天照大神から授かった鏡・玉・剣のことで、現在にまで伝承されているものです。

 

三種の宝物とは、八咫鏡八尺瓊勾玉天叢雲剣(草薙剣)です。

 

そして、ニギハヤヒ命が天照大神から授かったのが十種神宝なのです。

 

この十種神宝の名を「十種神宝大御名」(とくさのかんだからのおんみな)と言います。

十種神宝大御名の読み方と順番

十種神宝は、

 

瀛都鏡 邊都鏡 八握劔 生玉 死返玉 足玉 道返玉 蛇比禮 蜂比禮 品物比禮です。

 

①瀛都鏡 (おきつかがみ)

②邊都鏡 (へつかがみ)

③八握劔 (やつかのつるぎ)

④生玉  (いくたま)

⑤死返玉 (まかるがえしのたま)

⑥足玉  (たるたま)

⑦道返玉 (ちがえしのたま)

⑧蛇比禮 (おろちのひれ)

⑨蜂比禮 (はちのひれ)

⑩品物比禮(くさぐさのもののひれ)

 

 

この順番と読み方について、いろいろ書物を読んだのですが、それぞれの書で順番と読み方が違っているのです。

 

違いがあるのが、3カ所です。

違い【1】 玉4種の順番について

 

④生玉  (いくたま)
⑤死返玉 (まかるがえしのたま)
⑥足玉  (たるたま)
⑦道返玉 (ちがえしのたま)

 

この玉4種の順番ですが、

 

【1】
生玉 ⇒ 死返玉 ⇒ 足玉 ⇒ 道返玉

 

【2】
生玉 ⇒ 足玉 ⇒ 死返玉 ⇒ 道返玉

 

十種神宝,祝詞,音声,十種神宝大御名

 

 

この二通りの読み方があります。

 

玉の絵図を見て頂くと【1】は、同じ種類が続いています。

 

【2】は、玉の種類が交互になっています。

 

日本人の几帳面な特徴から判断すると、【1】ではないかと思います。

 

どちらが正解か分かりませんが、読み上げる際には、この玉の順番は気にしなくて良いと思います。

 

違い【2】 死返玉の読み方について

 

① 死返玉 まかるがえしのたま ma ka ru ga e shi no ta ma
② 死返玉 まかるかえしのたま ma ka ru ka e shi no ta ma
③ 死返玉 まかるかへしのたま ma ka ru ka he shi no ta ma

 

これはどれも正解だと思います。

 

昔は、「か」を「くわ」と言っていました。たぶん、今の音では聞き取れないような「か」だったと思います。

 

か(ka) と くわ(kuwa)、kuwaを一つの音にすると、限りなく「か」近い音になると思います。

 

え(e)も同じです。「え」は「へ」と読みます。 え(e) へ(he)ですね。これも、現在の「へ」ではなく、「h」の発音が弱い限りなく「e」に近い音だったのではないかと思います。

 

祝詞を奏上する場合も同じで、どちらが正解かはありませんが、祝詞全体を通して、統一した音を心がけるとよいと思います。

 

もう一つ音の例をあげると、「大神」⇒おおかみ、とそのまま現在は読んでいます。

 

しかし、「大神」⇒おほかみ、と古い祝詞には書いてあります。

 

昔の人は、今の50音より多くの、音を使っていたのだと思います。

 

違い【3】 蛇比禮の読み方について

 

⑧蛇比禮 (おろちのひれ)ですが、の読み方にも違いがあります。

 

・おろちのひれ
・へみのひれ
・へびのひれ

 

この3種類の読み方があります。古事記のヤマタノオロチにあるように、おろちの「ち」が蛇を意味しているという説もあります。また、古語では、蛇を「へみ」と読みます。ヘビと読むようになったのは近年のようです。また、地方において蛇の読み方が違います。

 

古事記のなかで、大国主神の段で

 

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(へみのひれ)と記されています。

 

 

蛇ではなく十種神宝,祝詞,音声,十種神宝大御名です。

 

虫へんに也の漢字(ウィキペディア)

 

また、その前の段になりますが、八俣遠呂智(はまたのをろち)が出てきますが、この時の大蛇は、遠呂智であり、
十種神宝,祝詞,音声,十種神宝大御名と表現してありません。

 

この蛇比禮の読み方は、たぶん「へみのひれ」だと思います。

 

ただ古事記と神話を紐解けば、大蛇を退治し蛇を払い除けた記がありますので、これもまた、「おろち」でも「へみ」でも、意味は同じになるかと思います。

 

祝詞では、各書に記されている読みで奏上しております。

石上鎮魂法で用いられる十種神宝大御名

十種神宝と鎮魂法が天武天皇に伝承され、のちに宮中の鎮魂祭につながっていきました。

 

現在の石上鎮魂法では、十種神宝大御名を独唱しているようです。

 

十種神宝大御名の独唱

 

瀛都鏡 邊都鏡 八握劔 生玉 死返玉 足玉 道返玉 蛇比禮 蜂比禮 品物比禮
瀛都鏡 邊都鏡 八握劔 生玉 死返玉 足玉 道返玉 蛇比禮 蜂比禮 品物比禮
瀛都鏡 邊都鏡 八握劔 生玉 死返玉 足玉 道返玉 蛇比禮 蜂比禮 品物比禮
布瑠部 由良由良止 布瑠部

 

十種神宝を3度唱え、最後に、ふるべ ゆらゆらと ふるべ と唱えると記されています。

 

こちらの読み方については、十種神宝祝詞のページで紹介します。