十種神宝とは、
天照大御神(あまてらすおおみかみ)と
高木神(たかぎのかみ)(高御産巣日神(たかみむすびのかみ))が
ニギハヤヒ命に授けられた
「天璽瑞宝(あまつしるしのみずたから)」のことです。
十種神宝は、「とくさのかんだから」と言います。
神力が秘められ死者を甦らせるほどの霊験があるとされる
十種類の神宝のことです。
鏡2種、剣1種、玉4種、比禮4種の計10種になります。
これらの神宝は、国家の繁栄や悪霊の祓いに使えるとされ、その霊力は非常に強力だと伝えられています。
十種神宝の現在の所在については、確実な情報はありませんが、いくつかの神社に関連する伝承があります。
石上神宮(奈良県天理市)
ここでは十種神宝が祀られているとされ、特に「布留御魂神」として信仰されています。
式内楯原神社(大阪市平野区)
この神社には、町の古道具屋で発見されたという十種神宝が祀られているとされていますが、その真偽は不明です。
唐松神社(秋田県大仙市)
ここには『物部文書』とともに十種神宝の一部が所蔵されていると伝えられています。
これらの神社を訪れることで、十種神宝にまつわる歴史や伝承に触れることができるかもしれません。
『旧事本紀』には、次のように記されている。
「天神祖神は言をしえ詔り給わく 疾病の事有らば この十種の瑞宝を以ちて 一二三四五六七八九十と唱えつつ 布瑠部 由良由良止 布瑠部 此く為しては 死人も生き反らん」
簡単に言い表すと「十種神宝をもってすれば、死んだ人も蘇る」と記されているのです。
その十種のもつパワーが言霊や祓祝詞となり、現在まで引き継がれているのです。
祝詞については、別ページにて説明しています。
十種神宝には、それぞれ秘められた神力があるとされています。
姿を写し出し、その栄えをもたらすもの
凶邪を罰し平らげるもの
生き生きとした活動をもたらすもの
死者を甦らせる働きをもつもの
その形体を具足させるもの
浮かれゆく魂を返しとめるもの
這う虫、飛ぶ虫を祓い、その害を受けたときはそれを癒すもの
さまざまな悪鳥、悪獣のみならず、すべての妖を祓い、邪を退ける働きをもつもの